MES#3 -秋月H8LANボードにMESを組み込む-
前回(MES開発ツールのインストール)の続きです。AKI-H8/3069LANボードにMESを組み込んでみましょう。
AKI-H8/3069LANボードにMESを組み込むので、AKI-H8/3069LANボード用の構成でMESを構築します。適当に作業用のフォルダ(以下workフォルダと呼ぶ)を作成してください。
MES2のページのOTHER/HOBBYページに移動し、コマンドインタープリタの実行ファイル(shell.elf)と構成定義ファイル(config.sys)をダウンロードし、workフォルダに保存します。
秋月電子 H8/3069F用の構成定義ファイルはクロック周波数の違いにより2種類あるので、お使いのボードに実装されているH8マイコン用のクロック発振器にあったファイルをダウンロードしてください。ここでは、"秋月電子 H8/3069F 20MHz用 構成定義ファイル"をダウンロードしました。
次に、MES構築ツールであるDisktoolを起動しましょう。
一番上のウィンドウで"H8/306xF"を選択します。
そして、"System File"ボタンをクリックします。
「!!! CAUTION !!!」と3回聞かれますが、すべて「はい」を選択してください。その後、ファイル選択の画面になります。MES開発ツールをインストールしたフォルダ内にある、appフォルダ内の"mes2.mot"を指定し、開くボタンを押してください。
今度は、"DiskLoad"ボタンをクリックします。そして、shell.elfとconfig.sysをダウンロードしたフォルダ(workフォルダ)を選択してください。
OKボタンを押すと、Loading shell.elf...というメッセージが出て、workフォルダと同じ場所に"作業フォルダ名.mot"という名前のファイルができていると思いますので、確認してください。そのファイルがMESのオブジェクトファイルです。ファイルが無事できていたらDisktoolを終了させましょう。
Disktoolで作成したmotファイルをH8マイコンのフラッシュROMに書き込みます。フラッシュROMへの書き込みには"Flush writer"を使用します。
AKI-H8/3069LANボードとPCをシリアルケーブルで接続してください。そして、H8マイコンの動作モードをブートモードにします。
AKI-H8/3069LANボードで、H8マイコンをブートモードにするには、DIPスイッチを以下のように設定する必要があります。
左の写真とは違う向きにDIPスイッチを実装してしまった方は注意してください。
DIPスイッチをブートモードへの設定にできたら、AKI-H8/3069LANボードに電源を投入し、"Flush writer"を起動してください。左のプルダウンメニューから、使用するマイコンに合わせたものを選択します。ここでは、"H8-3069F/20MHz"を選択しました。COMポートの番号も設定します。ポート番号は、デバイスマネージャで確認できます。また、ラジオボタンを操作し、通信速度を57600bpsに設定します。
"Write"ボタンを押して、先ほど作成したmotファイルを選択してください。
すると、フラッシュROMへの書き込みが始まると思います。エラーメッセージが表示されたら、COMポート番号の設定ミスなどの可能性があります。
無事にmotファイルの書き込みに成功したら、AKI-H8/3069LANボードの電源を切りましょう。Flush writerも終了させてかまいません。
さあ、いよいよMESを起動させてみましょう。
H8マイコンの動作モードをモード5(プログラム実行モード)に設定します。
動作モードの変更は、ボードの電源を切った状態で行ってください。
モード5へのスイッチの設定は写真の通りです。
次に、ハイパーターミナルを起動します。Term(57600)ショートカットを実行して、ハイパーターミナルを起動してもかまいません。
COMポートの設定を確認するために、通信メニューから切断を押して、通信を切断させてください。
ファイルからプロパティを選択し、接続方法欄にあるCOMポート番号をAKI-H8/3069LANボードに接続されているシリアルポートに設定してください。また、"モデムの設定"ボタンを押して、通信速度を57000bpsに設定します。Term(57600)ショートカットでハイパーターミナルを起動した場合、通信速度は57600bpsになっているはずなので変更する必要はありません。
さて、これでハイパーターミナルの設定が完了したので、ハイパーターミナルの通信メニューから電話を選択し、通信状態とします。
AKI-H8/3069LANボードの電源を入れてください。
さあ、ハイパーターミナルの画面には何か表示されたでしょうか。
上の画像のように"Micro Embeded System〜"と表示されていれば、無事MESが起動しています。もし文字が化けているようであれば、通信速度の設定が間違っている可能性があります。
ハイパーターミナルに設定する通信速度は、MESのオブジェクトファイル(motファイル)を作成する際にダウンロードしたconfig.sys内にある、sci1のボーレートに合わせなければなりません。
文字化けする場合は、config.sysを確認してハイパーターミナルの設定をもう一度確認してください。
これで、無事MESが起動したと思います。AKI-H8/3069LANボードにMESを組み込む手順は以上の通りです。次回は、
MESのコマンドラインインタフェースについて説明したいと思います。