前回の記事より、AKI-H8/3069LANボード上でMES(Micro Embeded System)を起動させる手順までの説明が完了しました。今回はMESのコマンドラインインタフェースについての説明です。
AKI-H8/3069LANボードへ電源を投入後、MESが起動すると、ハイパーターミナルの画面にはMESの以下のような起動画面が表示されます。
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| Micro Embeded System Ver2.3 Rev16 |
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MES >_
画面左下の方に"MES >_"と表示されていると思います。Windowsのcmd.exe(コマンドプロンプト)などと同じように、MESにおいてもコマンドラインインタフェースが提供されているので、この状態から、キーボードから入力したコマンドによりさまざまな操作を行うことができます。
これは、コマンドインタプリタであるshell.elfがMES上で動作しているからです。もっと言うと、MESの起動画面を表示しているのは、shell.elfに他なりません。shell.elfはMESを構築する際にダウンロードしたファイルですね。
ここで、MESのコマンドインタプリタ(shell.elf)により提供されているコマンドをほんの少しだけ使用してみたいと思います。コマンドについての詳細な解説は、
MES2のページを参照してください。もっと詳しく知りたい人は、shell.elfのソースファイル(shell.c)を見てください。
MES2のページでダウンロードできます。
ではshell.elfのコマンドをちょっとだけ使ってみます。コマンド操作をしていく中で、MESの動作や仕組みなどが理解できる場合もあると思いますので、わからなくても取り敢えずキーを叩いて実践してみましょう。
- pwd
pwdコマンドは、現在のカレントディレクトりの場所を表示します。
そもそもディレクトリってどういうことですか、と思うかもしれませんが、わからなくてもここではあまり気にしないでください。
- dir [引数1:対象ディレクトリ]
dirコマンドは、引数に指定したディレクトリの内容を表示します。引数を指定しなかった場合、カレントディレクトリの内容が表示されます。カレントディレクトリが「/ram0/」の状態で、dirコマンドを使用すると以下のように表示されました。
なんだかよくわからない人は「ああ、現在のカレントディレクトリにはconfig.sysとshell.elfがあるんだなあ」ぐらいに思っていただいてかまいません。
- ps
psコマンドは、現在実行中のプログラム(プロセス)の一覧を表示します。以下の画像の場合、コマンドインタプリタであるshell.elfが実行されているということがわかります。pidはプロセスIDです。
- cd [引数1:対象ディレクトリ]
カレントディレクトリを指定したディレクトリに変更する。
- del [引数1:対象ファイル名]
指定したファイルを削除する。
- copy [引数1:コピー元ファイル名] [引数2:コピー先ファイル名]
ファイルをコピーする。コピー先にディレクトリを指定してもコピーできません。
- kill [引数1:プロセスID]
指定したプロセスIDのプログラムを終了させる。
とても簡単でしたが、以上で、キーボードから入力したコマンドによりさまざまな操作ができるということが理解していただけたと思います。
また、ここで紹介した他にも、MESにはさまざまなコマンドが存在します。今回紹介できなかったコマンドを含め、本格的なコマンド操作については次回以降の記事で説明したいと思います。ここでは、MESを起動したら(shell.elfが起動して)コマンドによる操作が行える、ということだけ覚えておいてください。
次回は、
AKI-H8/3069LANボードをLANに接続するためのコマンドについての説明をしたいと思います。