いきなりですが、
PCBCARTから基板が届きました。
以前からオリジナルのH8マイコンボードを製作してきました。今までは試作として
Olimexに基板を注文していましたが、ついにこのマイコンボード製作プロジェクトの集大成として
PCBCARTを利用することにしました。
Olimexの場合、料金が面積単価なので、"同じものを大量に注文することで料金が安くなる"といったメリットはありませんが、
PCBCARTの場合、大量に注文すればするほど単価が下がります。結果、調子に乗って
110枚も注文してしまいました。110枚て……。
注文した基板の仕様としては、
1.45inch×1.9inch(約37mm×48mm)の両面基板、レジスト色は赤、両面シルク、銅箔厚2oz(70μm)、金メッキ仕上げ。それを110枚も製作していただくというのに、掛かった料金はなんとたったの125ドルでした。めっちゃ安い。日本円で1万5000円くらいですか。
費用の内訳は以下の通り。
初期費用:約32ドル
基板単価:0.66ドル(0.66×110=約73ドル)
配送費 :約20ドル
合計 :約125ドル
初期費用として約32ドル取られましたが、驚くべきは基板単価。一枚あたり0.66ドルって、100円掛かってませんよ。 同じ基板をもう一度作ってもらうならば、初期費用はもう必要ありませんから、今後は本当に一枚あたりたったの0.66ドルで作ってもらうことができます。すばらしい。
さてお待ちかね。届いた基板がこれです。↓
赤ですよ。赤!よいですね赤は。万が一草むらに基板を落としたとしても間違いなく発見できますよ!パッドやランドは金色。もう少し画質の良い画像を用意したかったところですが、これで我慢してください。
PCBCARTの場合、基板ごとに初期費用がかかります。ただし、数種類の基板を一枚の基板に面付けをして注文すると、その限りではない気もします。やってみたわけではないのでわかりませんが。まあ少数の基板を安く作ろうとすれば、やはり
Olimexが良いかとおもいます。
注文してから基板が届くまでの期間は約2週間でした。"基板送ったよ"のメールからたった2日で手元に届いたのには驚きました。
届けられたのはやたら黄色い袋でした。それにしても110枚も注文すると、さすがにかさばります。1[kg]はあるのでは……。
苦労した点としては、基板ファイルのやり取りです。
基板データを
PCBCARTに送ると、仕上がりを確認できるように基板の各層――シルクやパターン――を表示したPDFファイルが送られてきます。それを見て、確認して、OKなら送られてきたPDFファイルを送り返します。それで
PCBCARTはいよいよ基板の製作を開始します。
※2007年11月現在、PDFによる基板の仕上がり確認作業は行われておらず、
PCBCARTへ送ったガーバーデータは、それが正しいものとして製造が開始されるようです。それってすごいリスキーな気がするけど、いいのか?
PCBCARTも
Olimexと同じく基板データのファイルフォーマットとして
EAGLE(brdファイル)を受け付けているのですが、メールに
EAGLEのbrdファイルを添付して送ったところ、
こんなPDFファイルが送られてきました。
確認すると、要らんレイヤをシルクにしたり、表裏のシルクが混在していたり、表のシルクが2度登場したり。なにも描かれていない部分はなんですか。
当然納得できるわけはなく、メールにて色々と注文を言ったところ、"我々はEAGLEにあまり精通していないので、できればガーバーファイルを送って欲しい"みたいな返事をいただきました。
そうですか。
結局
EAGLE上でドリル&ガーバーファイルを出力し、それを送って一件落着となりました。その際
送られてきたPDFファイルです。
なんとカラフルな!
EAGLEファイルはダメだけど、ガーバーファイルなら任せろやと言わんばかりの仕上がりイメージ。間違いもありません。ガーバーファイルはこっちで作ったのだから当然ですが。
EAGLEファイルを受け付けているのに、それについて詳しくないのは問題なのでは?
それにしてもたった2日で届くとは……。早いですね。実際は値段の安さに一番驚いています。なんせ1枚0.66ドルなのです。調子に乗ってしまいそうな値段です。まあ、だから110枚も注文してしまったのですが。
品質については大変満足しています。裏面のシルクスクリーンが少し細めになっているのが少し気になりましたが、むしろこちらのミスでスルーホール上のシルクが見えないのが気になります。スルーホール上にシルクスクリーンを印刷するのは不可なのに、やってしまいました。おかげで一部のシルクが読めません。悔しい。
基板をよく見ると、描いた覚えのないシルクスクリーンが印刷されています。基板おもて中央付近、"UL 94V-0"という文字列。
いったいこれは何だろうと思って調べると、"UL規格"という難燃性を示すもののようです。詳しくはわかりませんが、つまり"この基板は燃えにくいよ"ということを示しているのですね。
そして、いざ
基板を組み立てました。やっぱり赤は良いです。とても。